<< お嬢のブログ 2019-12-31 | あけましておめでとうございます その2 >> 2020-01-22 |
関東圏でド九州人が生きていくにあたり、
順応性がないというか、順応する気がないというかは別として、
食に飢えるわけです。
ラーメンは、それとなく似たようなものが食えるし、
うまかっちゃんや「煮込み3分、味一流」のマルタイ棒ラーメンでしのぐこともできます。
もつ鍋は良いモツが手に入ればなんとかなります。
ちゃんぽんはリンガーハット育ちなので問題ありません。
九州人が直面する「醤油問題」も長崎のチョーコー醤油を定期的に仕入れることが出来ます。
し
かし
替えがきかないものが一つだけあります。
それが「牧のうどん」
牧のうどんとは、福岡、佐賀に十数店舗展開しているうどんチェーン店
庶民的なストロングスタイル。
福岡のチェーン店では、牧の派、ウエスト派、資さん派が主流だと思いますが
私は圧倒的に牧の派なのです。
福岡時代、だいたい月に3回の割合で足を運んでいたのですが、
男子厨房に入らずの我が家は、妻の体調不良などの時は、
牧のうどんのお持ち帰りセットをよく買いに行ってました。
麺、スープ、ねぎ、ごぼう天のセットで、自宅で温めるだけで食べれます。
価格的にも4人前で1,000円程度とお徳です。
ある日いつものように買いに行き自宅に戻り、開けてみると「ねぎ」が入っていない!
経験者の方ならわかると思いますが、牧のはネギで完成します。
無くてもおいしいのですが、
ラーメン食うのに箸がない
アイスクリーム食べるのにスプーンがない
みたいな喪失感があるのです。
だからどうした。
しかし、そこを責めるつもりはさらさら無く、
牧の信者としては「ねぎ」の重要さを訴えたい一心で、その店舗に電話しました。
当然ながら、汚れるつもりも、ヤカるつもりもありません。
すると、ねぎをソッコー持っていきますと。
それは、お店にとっても夕食時の忙しい時間だったので私は固辞したのですが、
30分後、おばさんがやってきました(おそらく自身の軽自動車で)
大量のねぎと麺を持って。
私は規模こそ違えど経営者としての興味があったので聞いてみました。
あなたの立場は?と。
私はパートですが、そこの判断は各個人に任せられていますと。
最&高ではないですか。
断りましたが、おばさんの顔もあり、結局、大量のねぎと麺を受け取りました。
大量のねぎとうどん。
スープも欲しかった(笑)
それからというもの
私の「牧の愛」は、さらに揺るぎないモノへとなったのでした。
あれは2018年のことでした。
一件のフルオーダーを受けました。
凄まじくこだわりの強い方だったのと、
同業他社様でのフルオーダーに納得がいかずのご来店だったので、
標準体型にもかかわらず仮縫いを挟むことにしました。
お客様の求める革とウチが扱う革に開きがあったり、
Silvet自体がオリジナルのフルタンニンから栃木レザーに切り替えたりと試行錯誤していたこともあり
納期が延びました。
バンドマンで、バイクには乗らない、クビレは入れるな。
各ディティールの指示もイラストレーターで細かく指示してくださいます。
結局、栃木レザーを0.9mm厚まで漉き加工(削る)して製作する事になりました。
ドラムタンニンだと怖いですが、ピットタンニンなので強度は大丈夫です。
厚い革は、力は必要ですが縫製は簡単なんです。
薄い革、柔らかい革の方が縫製職人の真価が問われます。
もうヒリヒリしながら縫製しましたよ!
タンニンなめしで更に薄いので着た瞬間から圧倒的に皺が刻まれますが、
馬でも牛でも皺一つ無く完成させたいと思って縫製しています。
Silvet的には極薄なので、芯張り、補強も通常とは変えました。
個人的に凄まじく興味深い一着となりました。
長い納期にお付き合い頂きありがとうございました。
◆セミダブルフルオーダー
(お客様持込の他社ライダースがデザインベース)
栃木レザーステアハイド0.9mm厚加工
街着型紙にて製作
173cm/58kg
そんな上記のお客様からクリスマスに届いたプレゼントが
「牧のうどん」
オリジナル冷凍セット!
興奮しすぎて全容の写真を撮ることさえ忘れていました。
お客様自身がお持ち帰りセットを購入し、自宅で冷凍解凍し、食すという実験を経て、
麺は解凍すると食えないとのデータを得たうえで送ってくださいました。
その行為がモノよりも嬉しいのです。
LINEもメールもいいけどよぉ
そりゃラブレターだろ(アニキ風)
埼玉で牧のが食えると言う状態に
家族が引くぐらいのテンションで食いました!
こちらに住んで以来、最高のメシになったのは言うまでもありません。
年末に書く予定のブログを元旦午前三時に書いています(笑)
初心に戻り、年越し蕎麦をホッピー(キンミヤ)で攻めたら潰れてしまいました(涙)
2019年は、埼玉内移転など、相変わらずめまぐるしい一年でしたが、
お客様方や仲間達に支えられ年を越すことができました。
仕事納めが31日で
仕事始めが1日という、相変わらずスマートではありませんが、
コレしか出来ない人間なので、お嬢共々今年も変らず頑張ります!
もっと多くの方に、リアルな皮革、パターンメイキング、縫製を知っていただきたく今年も精進いたします。
本年も宜しくお願い致します。
シルベットレザー
磯川 正樹(44)長崎生まれ福岡育ち
<< お嬢のブログ 2019-12-31 | あけましておめでとうございます その2 >> 2020-01-22 |
TOP
HOME
PRODUCTS
MEISTER QUALITY
CUSTOM & GUARANTEE
LEATHER MATERIAL
BLOG
CONTACT
Copyright © 2013 Silvet Leather Garments All rights reserved
Design